2023.10.25ブログ
古い家の寒さ対策はどうする?簡単にできる寒さ対策から本格リフォームまで施工方法やポイントを徹底解説!
築年数を重ねた古い住宅に住まわれる方も多いと思いますが、「年々、冬の寒さがつらくなってきた」という方はいらっしゃいませんか。
長年修理や手入れをしながら大切に過ごしてきた家は経年劣化により隙間ができてしまったり、断熱材が劣化していたりと、寒さの原因となる問題が発生していることがあります。
今回の記事では、住み慣れた家の寒さ対策を解決したいという方に向けて、寒さの原因となっている場所の見つけ方や問題の解消方法をご紹介します。
冬の寒さ問題を解決し、温かで快適な住まいを実現しましょう。
家の寒さの原因はどこに?
「暖房をつけているのに寒い」「冷たい空気がどこかから入ってきているよう」と室内にいても感じるなら、どこからか外からの冷たい空気が入り込んでいる可能性があります。
家の中に冷気が入り込む箇所はいくつかありますので、それぞれについて解説します。
窓からの冷気
近年、冬の寒さが厳しくなってきたように感じますが、冷気が主に入ってくる場所は窓です。
窓は冷気の出入り口ともいわれます。冷たい冷気の入り口であると同時に、暖房によって温められた空気が逃げ出してしまう場所でもあり、冬場は約58%もの熱が窓から出入りしているといわれています。
また昭和の時代から日本の住宅で採用されてきたアルミサッシは、軽量で丈夫というメリットがあると同時に、外気の影響を受けやすいというデメリットもあります。
アルミサッシの窓枠から冷気が伝わってくるため、部屋でいくら暖房をつけても冷えるというのは、窓枠からの冷気が影響しているのです。
また、「コールドドラフト」という現象をご存じでしょうか。
窓で冷やされた空気は下に流れ、床へと広がります。暖房で温められた空気が天井付近にたまってしまい、冷たい空気が下に広がることを「コールドドラフト」と言い、足の冷えとなる原因を生み出しています。
コールドドラフトにより天井付近の温度と足元付近の温度差が、5度以上になることもあるといわれています。
暖気と冷気を混ぜ合わせ、温度差を解消するために、サーキュレーターやシーリングファンを活用する家庭もあります。
隙間風の侵入
新築住宅ですと隙間風はまず起きることはありませんが、築年数が経過した古い家ですと、地震などの自然災害の影響や建材の劣化などによって歪んでしまい、隙間ができることがあります。
そのため、長く住んでいる家ほど、隙間から冷たい風が入ってくるようになります。
窓やドア、換気口、換気扇など、外とつながっている部分は、特に要注意です。
外につながる部分はゴムパッキンで隙間風を防ぐようになっていますが、経年劣化により、すり減ったり、ひび割れたりすることで、機能が低下し、隙間風が発生することがあります。
また隙間風は、引き違い窓からも発生することがあります。
引き違い窓は2枚のガラス戸を左右にスライドさせて開閉するものですが、わずかに隙間があり、そこから冷気が入り込んでしまいます。
断熱材の劣化・不足
リノベーションなどを楽しむために、古い家を購入したという方もいらっしゃるでしょう。
寒さが気になるのは、断熱材が入っていないからかもしれません。
1980年以前に建築された家ですと、断熱材が入っていない家が珍しくなく、入っていたとしても経年劣化により、効果を発揮していないことが考えられます。
また、断熱材が入っていたとしても、適切な場所に施工されていなくてはいけません。
壁には入っているけれども、天井裏には入っていない、しっかりと敷き詰められていない可能性もありますので、屋根裏や床下の断熱材を確認する必要があるでしょう。
さらに、断熱材は、30年から40年経つと劣化してしまいます。最も考えられる劣化の原因は、湿気によるカビです。
断熱材は施工方法を間違えてしまうと、カビが発生してしまうことがあります。
例えば、グラスウールの断熱材は吸水性が高いため施工に注意が必要な断熱材ですが、正しい施工方法が行われていないといったケースもまれに発生しています。
断熱材の不具合も、家が寒くなる原因につながっています。
手軽にできる寒さ対策とは
「家全体のリフォームで寒さを解決したい!」とお考えのお客様もいらっしゃると思いますが、リフォーム完成までには時間がかかってしまうかもしれません。
まずは市販品などを使って、家で簡単に行うことができる寒さ対策に挑戦してみませんか。
断熱カーテンとホットカーペットを併用するなど、複数の対策を取ることで、より高い効果を望めます。
断熱カーテン
冷気が窓から出入りするということをお伝えしましたが、冷気の侵入を防ぐため、断熱効果のあるカーテンをおすすめします。
最近ではさまざまな機能を持つカーテンが販売されています。断熱カーテンは、室内の温かい空気を逃さず、外の冷気をシャットアウトしてくれます。
また断熱カーテンは、熱が伝わりにくい素材で作られているので、冬の寒さを遮るだけでなく、夏の外の熱気も防いでくれます。
同じような機能を持つレースカーテンを併用すると効果はさらに高まり、エアコンなどの光熱費の節約にもつながります。
まずは取り付けやすいカーテンを使うことから始めてみませんか。
断熱シート
ホームセンターなどで簡単に購入できる断熱シートもオススメアイテムのひとつです。
よく見かけるプチプチ状の窓用断熱シートを貼ることで、窓からの冷気の侵入や暖気の外への逃げを防ぐことができ、室内の温度を保つ効果が期待できます。断熱カーテン同様、暖房だけでなく冷房の効きをよくすることができるので、節電につながります。
商品によっては、結露を軽減できるものやUVカット効果があるものもあります。
またシートの厚みにもいくつか種類があり、厚さがあるものほど保温性が高くなります。ただし、厚みがあるものほど、光を遮ってしまうため室内が暗くなるほか、外の景色が見えにくくなるデメリットがあります。
メリット・デメリットを考慮して商品を選ぶことをおすすめします。
隙間テープ
リビングや浴室の窓、玄関ドアなどから入ってくる隙間風をふさぐ隙間テープも寒さ対策に役立つアイテムです。
ホームセンターやスーパーだけでなく、100円ショップなどでも購入できます。
隙間がなくなることで室内の気密性が高まるほか、隙間から入ってくる虫の侵入も防ぐことができます。
賃貸住宅でも気兼ねなく使用できるのも大きなメリットです。
ホットカーペット
冷たい空気は下にたまってしまうことはご説明いたしましたが、エアコンと同時にホットカーペットや厚手のカーペットを敷くことで、足元の冷えを解消でき、部屋で暖かく過ごすことができます。
床暖房を検討しているご家庭があるかもしれませんが、導入までには時間がかかることもあります。
ホットカーペット・厚手のカーペットは比較的手頃な価格の商品が揃っていますので、一時的な対策として利用してはいかがでしょうか。
雨戸・シャッター
雨戸やシャッターがせっかくあっても、面倒だから使っていないというご家庭があるかもしれません。
雨戸やシャッターは、台風などの悪天候の影響で家のガラスにものが当たって割れてしまうことを防ぐために備え付けられていますが、防犯対策としても役立つほか、冷気が室内に入ることを防いでくれます。
窓全体を覆ってくれる雨戸やシャッターは、寒さを感じる季節には使用をおすすめします。
まずは窓からリフォームを!
さまざまな防寒対策グッズをご紹介しましたが、本格的な対策をして寒さの問題を解決したい場合は、リフォーム会社によるリフォームをおすすめします。
窓ガラスや断熱材をリフォームすることで、戸建て住宅全体を寒さから守り、温かな室内空間に生まれ変わります。まずはできるところからリフォームしてみませんか。詳しいリフォーム方法や事例をご紹介します。
複層ガラスに交換
窓からの熱の出入りが室内の寒さの原因となります。そのため、窓ガラスのリフォームを一番最初に行ってはいかがでしょうか。
窓のリフォームでは、2枚のガラスを重ね合わせた複層ガラス(ペアガラス)への交換が一般的です。
寒さを感じるご家庭の窓は、1つのサッシに対して1枚のガラス(単板ガラス)になっていると思います。ガラス1枚ですと、外の冷気がガラスやサッシにダイレクトに伝わり、室内の冷えの原因にもなります。
では、複層ガラスにリフォームするメリットをご紹介します。
■断熱効果が高い
単板ガラスと異なり、ガラスとガラスの間に空気が入ることで、室内と室外の熱の移動が行われなくなります。そのため、冬は室内の温かな空気が外に逃げることがなくなるほか、夏は外からの強い日差しの熱を遮ることができます。
■省エネにつながる
複層ガラスによって、断熱・遮熱効果があるため、外気の影響を抑え、室内の冷暖房の効率がアップします。
エアコンやストーブなどの暖房機器の温度を上げることなく過ごせますので、電気代や灯油代などを節約できるほか、環境にもやさしい生活になります。
■結露を防止できる
複層ガラスは外気の影響を受けにくいため、結露が発生しにくくなります。
1枚だけの単板ガラスの場合、窓の外側と内側で温度差が大きく、結露が発生してしまいます。
カーテンや壁紙にカビが生えたという経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
複層ガラスにすることで、窓ガラスに発生する結露を抑えることができます。
■取り付けが簡単
複層ガラスには専用のサッシがあり、併用することで大きな効果が出るのですが、アタッチメント付きの複層ガラスなら、既存の単層ガラスのサッシに設置することが可能です。
簡単な工事で設置できるところも大きなポイントです。
住まい全体の断熱リフォームを実施
断熱リフォームは、より本格的なリフォームで寒さ対策をしたいという方におすすめの方法です。
壁や床、屋根裏には外気の熱が室内に伝わりにくくするために断熱材が施工されていますが、その量が十分でないときや劣化しているときは、効果が期待できず、室内の寒さにつなかっていると考えられます。
ただ、個人ではチェックすることが難しいため、リフォーム会社や専門業者に相談し、確認をお願いすることになります。
最近では断熱材の性能は格段にアップし、
【繊維系】 【発泡プラスチック系】 【天然素材系】
の3つの分類に分けることができます。
発泡プラスティック系の断熱材が広く使用されることが多いですが、無添加で自然本来の良さを持つ天然素材系の断熱材も高価ながらも人気があります。
次に断熱リフォームの方法を場所別に以下、ご紹介します。
【床】
床の断熱リフォームは2通りあります。
① 床下から断熱材を入れる
② 既存の床を剥いだ後に断熱材を入れ、床板を張り直す
① 床下から断熱材を入れる
ボード状やマット状になっている断熱材を床下から入れる方法です。工事担当者が、床の点検口や床下収納から床下に入り、床の裏から断熱材を充填していきます。工期は短く、約1日ほどです。
また廃材も少ないためコストが低いという良さがあり、費用相場は、20坪で約30〜40万円ほどです。
② 既存の床を剥いだ後に断熱材を入れ、床板を張り直す
フローリングや畳の張り替えなどを検討中の方におすすめする工法です。工事の前に床下を直接確認することができますので、木材などの劣化や傷みがないかも発見することができます。
工期は床の張り替えも含めて、数日間はかかることになります。費用は、20坪で80万~120万円が目安となりますが、床材の価格により変動します。
【屋根】
屋根に断熱材を施す方法は3種類あります。
①屋根の室内側に断熱材を取り付ける
②天井に断熱材を取り付ける
③断熱効果のある塗料で屋根を塗り替える
それぞれについて解説します。
①屋根の内側に断熱材を充填する方法
その名前の通り、屋根構造の部分に断熱材を施工します。
以前は天井裏に断熱材を施す方法が一般的でしたが、最近では、吹き抜けやロフトなど、天井裏の空間も活用するご家庭が増えたこともあり、屋根断熱が増えてきました。
屋根から建物全体を外気から守るので、天井断熱よりも効果が高いといった特徴もあります。
ただし、屋根全体に断熱材を入れる必要があることから、他の方法よりも費用がかかるというデメリットがあります。
②天井裏に断熱材を充填する方法
冬に暖房をつけると、温かい空気は上に昇りますが、天井断熱が不十分な家では、天井から入り込んだ冷たい空気が下からの温かい空気とぶつかり、冷えた空気が下に沈み、部屋が冷えてしまいます。
また天井断熱によって、夏場の太陽の熱による暑さも和らげることができます。
一戸建てにお住まいのお客様のなかには、「1階と比べて2階は夏は暑くて、冬は寒い」というお悩みを持つ方もいらっしゃるでしょう。
そのような悩み解消には天井断熱が効率的です。
一年を通じて快適な室内温度を保つことができるだけでなく、エアコンを使用しなくても過ごせる日が増えるため、省エネにもつながります。
ただし、天井断熱のデメリットとしては、小屋裏空間を収納スペースとして利用できなくなることがありますので、ご注意ください。
③断熱効果のある塗料で屋根を塗り替える
屋根断熱や天井断熱と併用することで断熱効果が期待できる施工として、屋根の補修を行うタイミングで行うことをおすすめします。
屋根は直射日光や雨風にさらされるため、10年に一度は点検が欠かせません。塗り替えのタイミングで、断熱効果のある塗料を使用することができます。屋根断熱や天井断熱と併用することで、断熱効果が期待できます。
【外壁】
外壁の断熱方法は3種類あります。外壁は施工範囲が広く、費用も高額になります。どの工法が適切かはリフォーム会社としっかりと話し合って決めましょう。
①外断熱
外断熱とは、プラスチック系や繊維系の断熱材を建物の外側から張り付ける工法です。家全体を外側から断熱材で包み込むことで、気密性を高めます。そのため、結露が起こりにくくなり、カビや錆による住宅の劣化を防ぐことができます。
デメリットとしては、外壁が厚くなるため、狭小住宅や間取りの複雑な住宅には適さない工法であることと、費用が高額になるというデメリットがあります。
ただし、断熱効果による冷暖房の節電効果があるため長期的なメンテナンスコストは内断熱より安くなりやすいです。
②内断熱
内断熱は昔から行われている一般的な工法で、多くの工務店で施工が実施されています。技術面での安心感もあり、外断熱よりも費用が割安な点が魅力です。
また外断熱と違い、柱の間に断熱材を施すので外壁に厚みが出ません。
ただしデメリットとして、外断熱のように家全体を包み込むものではありませんので、気密性は低くなり、住宅内に結露ができやすくなります。
【断熱リフォーム】およその費用相場は?
リフォームを検討するにあたり、最も気になるのは費用かもしれません。
リフォームをしたい場所が決まったら、無料で見積もりをしてくれる会社に査定をお願いしましょう。複数の業者にお願いし、安心して任せられる会社を見つけましょう。
それぞれの断熱工法について、費用の目安を参考までにご紹介します。
【複層ガラス】
費用)ガラス本体価格(ガラス間に充填される種類により価格は変動)
空気層:3万円~
アルゴンガス:5万円~
真空タイプ:14万円~
※交換費用が別途必要(3万~10万円)
【床】
費用)1㎡あたり 3千円~
既存の床下から施工 20万~30万円
既存の床を剥がして施工 70万~100万円
【屋根】
費用)屋根断熱 40万~250万円
天井断熱 15万~90万円
断熱塗装 1㎡あたり 3千~4千円
30坪 50万~80万円
※足場設置費用などの諸経費を要確認
【外壁】
外断熱)1㎡あたり 8千円~3万円 (発泡プラスティック系断熱材の場合)
30坪 100万~200万円
内断熱)1㎡あたり 4千円~2万円(繊維系断熱材の場合)
30坪 50万~150万円
【2023年度】補助金で施工できる断熱リフォーム
省エネリフォームに際して、国の補助金を活用できる事例があります。
ただし、補助金交付額が予算上限に達した場合は活用することはできません。また、申し込み自体は個人ではなく、リフォーム業者が行う必要があります。
制度の概要につきましては、リフォーム会社の担当者にご相談ください。
まとめ
今回の記事では、冬の寒さ対策について、さまざまなアイデアやリフォーム方法をご紹介しました。家ですぐ試してみたい方法や知りたかった情報は見つかったでしょうか。
寒い家の中では、暖房の効きによって温度差ができやすく、ヒートショックの原因となってしまうことさえあります。
寒さ対策を取り入れたり、断熱リフォームを行ったりすることで、冬の寒さ解消を実現しましょう。
対策を施し、暖かい空気に包まれた部屋で、冬の暮らしも楽しんでください。
古い家の寒さ対策はどうする?簡単にできる寒さ対策から本格リフォームまで施工方法やポイントを徹底解説しました。
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