キッチンや洗面所で、「すぐにお湯を使いたい！」というときがありませんか。

そんなときに役に立つのが、瞬間湯沸かし器。電気の力でお湯を沸かす温水給湯器も販売されていますが、ガスで瞬時にお湯が使えるというメリットは大きいものがあります。

今回、瞬間湯沸かし器を新しくキッチンに備え付けたいという方や、古いタイプのものと交換を考えているという方まで、瞬間湯沸かし器のしくみや取り付け方法、費用相場まで詳しく解説します。

 

 

瞬間湯沸かし器と給湯器を比較して解説

ガスを使って手軽にお湯を湧かす製品には、瞬間湯沸かし器と給湯器があります。瞬時に温かいお湯を作ってくれる、毎日の生活にとても便利な製品です。

ただ商品を選ぶ際に、瞬間湯沸かし器と給湯器の違いがよく分からないという方がいらっしゃるかもしれません。

それぞれの製品の特徴を比較しながら解説し、製品を選ぶ際のチェックポイントも解説します。

 

 

＜瞬間湯沸かし器＞

瞬間湯沸かし器の中央付近にあるボタンを押し水栓を開けると同時に、ガスを使用してバーナーに着火・燃焼し、瞬時にお湯を作り出します。

家庭で使用される湯沸かし器は、一般的には５号タイプとなります。機器本体をキッチンのシンク近くに取り付けますが、本体そのものは小さく、設置スペースは取りません。

取り付けは、キッチンや洗面所など１箇所だけの設置となり、複数箇所でお湯を使用することはできません。

給湯器と比較すると設置コストが低いほか、本体は小型で設置工事も簡単です。

なお、使用する際には、換気扇などで必ず換気をする必要があります。

 

 

＜給湯器＞

給湯器は、キッチンや浴室の蛇口からお湯を出すというシンプルな機能に絞ったタイプから、浴槽へのお湯張りや追い炊きができるタイプ、さらにメーカーによっては、床暖房や浴室暖房乾燥機などをオプションとして取り付けられるタイプまであります。

給湯器でお湯を沸かすためには、水とガス、そして給湯器本体を動かすための電気を使用します。

給湯器本体の設置場所は、屋外になります。戸建てや集合住宅など、お住まいの広さによって設置できる機種がある程度決まってきます。

 

 

瞬間湯沸かし器のメリットとデメリットを紹介

瞬間湯沸かし器にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

それぞれを比較し、特徴をご紹介しますので、購入や交換の際の参考にしてください。

 

 

＜メリット＞

瞬間湯沸かし器は、本体価格と設置費用、ともに給湯器よりも安い点が魅力です。

浴槽にお湯を貯められるガス給湯器は、本体価格が約１０万円以上となり、設置には高額な費用がかかります。

その反面、瞬間湯沸かし器の場合は、本体価格が約３万円台からと手頃な相場となっています。

設置場所は、キッチンなどの屋内であるため、家の外で場所を取らないことも魅力です。

 

 

＜デメリット＞

１箇所でしか使用できないため、キッチンに取り付けたら、キッチンでしかお湯を利用することができません。

また長時間続けてお湯を使用し続けるということができないため、一時的にサッとお湯を使いたいという方に向けた製品になります。

 

 

瞬間湯沸かし器の特徴を分かりやすく解説

簡単にお湯が使える瞬間湯沸かし器ですが、その仕組みについてはよく知らないという方がいらっしゃるかもしれません。

瞬間湯沸かし器には、元止め式と先止め式の２つの仕組みがあります。

２つの種類についてそれぞれ解説しますので、使用する前に仕組みを知って、安全に使用しましょう。

 

 

＜瞬間湯沸かし器　元止め式＞

元止め式とは、一般家庭で利用されているタイプで、瞬間湯沸かし器本体から出たシャワーノズルから、お湯が出ます。

水道の蛇口には給水配管をつなぎませんので、お湯の出口はシャワーノズル１つとなり、複数箇所への給湯はできません。

 

 

＜瞬間湯沸かし器　先止め式＞

一般家庭で使用されることはありませんが、美容室や飲食店などの店舗や会社の給湯室など、複数箇所でお湯を使えるという特徴があります。

瞬間湯沸かし器は、キッチンに設置されるのではなく別の場所に備え付けられます。そこから水道管を通じて、蛇口・混合水栓からお湯が出ます。

 

 

瞬間湯沸かし器の取り付け前に確認したいこと

瞬間湯沸かし器はガスを使ってお湯を作りますが、ガスは一歩間違えれば、大きな事故を起こす可能性のあるものです。

トラブル防止のために、事前に確認しておきたいことを解説します。

 

 

ガスは２種類ある

ガスは、都市ガスとプロパンガスの２つに分けられ、都市ガスはさらに７つのグループに分けられます。

都市ガスは事業者により使用している原料が異なるため、規格に違いがあります。そのため自宅で使用しているガスの種類と合う規格に合った製品を使用する必要があります。

プロパンガスには、一種類しかありません。

 

 

有資格者による取り付けが必要

瞬間湯沸かし器をdiyで取り付けることはできません。

設置や交換は、瞬間湯沸かし器を取り扱うための資格を持つ「液化石油ガス設備士」「ガス可とう管接続工事監督者」「ガス消費機器設置工事監督者」などの有資格者しか行うことができません。

そのため、取り付けは有資格者が在籍するプロの専門業者に依頼する必要があります。

万が一、資格のない方が取り付けてしまうと、罰則があるだけでなく、重大な事故につながりますので、決して行わないようにしましょう。

 

 

瞬間湯沸かし器の気になる費用は？

給湯器の取り付けよりも費用が抑えられると分かっていても、本体価格と取り付けのための施工にいくらかかるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。

瞬間湯沸かし器の取り付けはもちろん、取り外しを依頼した場合の費用相場もあわせてご紹介します。

 

 

湯沸かし器の新規取り付けの費用相場

ホームセンターや家電量販店などで購入するほか、ネット通販で購入される方もいらっしゃるでしょう。一般家庭で使用される瞬間湯沸かし器の多くは５号タイプです。

５号タイプの商品ですと、ネット通販では約２万円前後の価格で販売されています。専用のガスホースは別途、購入が必要な場合が多いので、確認が必要です。

また新規の取り付け工事ですが、こちらは約１万円が相場のようです。ただし、取り付ける際にプレートなどいくつかの器具が必要になるので、もう少し費用がかかるかもしれません。

湯沸かし器を交換する場合の施工についてもお伝えします。こちらも工事費用は、約１万円が相場のようです。ただし、古い湯沸かし器の引き取り費用を請求されることもありますので、ご注意ください。

施工内容が心配な場合は、必ず事前に見積もりをもらうようにしましょう。

 

 

 湯沸かし器の取り外し費用の相場

古くなった湯沸かし器の処分を行いたいという場合もあります。処分の際の工事費は、湯沸かし器の取り付けや交換の場合よりも安い場合が多く、相場は５千円以下と考えておくといいでしょう。

また新しい湯沸かし器の設置と同時に、古い湯沸かし器を処分するというケースでは、処分費用を請求されないことがあるようです。

例えば都市ガスタイプの瞬間湯沸かし器を取り外す場合、ガス会社に取り外しをお願いすると、まず工事費の見積もりが行われます。費用が気になると思いますが、数千円で済むことが多く、２千円前後という場合が多いようです。

 

 

瞬間湯沸かし器を安全に使用するために

瞬間湯沸かし器には、さまざまな安全装置が標準装備されています。瞬間湯沸かし器を使用中に起きる事故で最も恐ろしいのは、一酸化炭素中毒です。

瞬間湯沸かし器は、１９６５年頃から一般家庭で使用されるようになりましたが、不完全燃焼による一酸化炭素中毒が原因で、住宅の火災などがたびたび発生しました。

そのような問題を解決するため、パロマやノーリツ、リンナイなど各メーカーが改良を重ね、現在では安心して使用できるよう工夫されています。

 

一酸化炭素中毒を防ぐ

瞬間湯沸かし器の使用で最も注意しなければいけないのは、一酸化炭素中毒による事故で、過去には悲惨な事故も発生しています。ガス器具を利用する際には、器具とガスの種類と合っているかを必ず確認しましょう。

一酸化炭素とは、ガスの不完全燃焼で発生する気体で、無味・無臭です。もし人間が吸ってしまうと、酸素運動能力が低下し、一酸化炭素中毒を引き起こします。

自宅のガスの種類と同じガス器具を使用しないと、不完全燃焼を起こし、爆発をしてしまうこともあります。

使用前には必ず自宅のガスの種類を確認し、不安な場合は、契約のガス会社に問い合わせることをおすすめします。

代表的な安全装置をご紹介します。

 

１．立ち消え防止機能

炎の有無を感知し、立ち消え時には、自動的にガスを遮断して運転を停止します

 

２.不完全燃焼防止装置

不完全燃焼が起きる前にガスを遮断して運転を停止する装置で、室内に設置するガス製品には必ず取り付けられています。

不完全燃焼が３回続くと点火できなくなる再点火禁止装置も装備されています

 

３.消し忘れ防止機能

点火後、約10分経過すると、自動的に消火・止水します

 

４.点火時炎検出装置

正常に着火しないとき、自動的にガスを遮断します

 

５.過熱防止装置

機器内部の温度が異常に高くなった場合、自動的にガスを遮断します

 

 

瞬間湯沸かし器の寿命はどのくらい？

瞬間湯沸かし器の寿命は一般的には、７年～１０年と言われています。使用頻度や環境により変わってきますが、年数が経つにつれ、「お湯が出なくなった」、「お湯の出方が悪い」など操作に不具合が起こってくるものです。

また劣化により修理が必要となっても、購入から１０年も経過すると、部品がなくて修理できないということも起こりえます。

瞬間湯沸かし器は何も不具合がなくても、古い器具を使い続けるのではなく、７年から１０年程度で、点検を受けることをおすすめします。

安全に使用するためにも、お住まいの地域のガス会社に点検をお願いするなど、定期検査が必要だということを認識しておきましょう。

まとめ

瞬間湯沸かし器は、すぐにお湯が使えるとても便利な製品ですが、安全に使用するためにも、ご自宅のガスの規格をしっかりと確認し、適合する製品を選ぶようにしましょう。

また設置の際には、有資格者でないと工事できないことも知っておくことが大切です。

瞬間湯沸かし器を安全に使用して、快適な暮らしを実現しましょう。

 

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