2025.12.28ブログ
自由にリノベできない?中古マンションリノベーションで「できないこと」の確認ポイントと注意点

「マンションリノベーションで、思い通りの住まいを実現したい!」と願うことは当然のことですが、マンションには「管理規約」や「構造」によって、工事内容が制限されることをご存じですか?
今回の記事では、購入してから後悔することのないよう、事前に知っておきたい中古マンションのリノベーション・リフォームで「できないこと」と確認したいポイント・注意点について解説します。
工事が始まったあとに「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、ポイントを押さえ、希望通りの住まいづくりを実現しましょう。
構造上の問題で「できないこと」

まず、購入前に把握しておきたい、構造上の問題で「できないこと」について、まず解説します。
物件を見つける際にも役立つ情報になりますので、事前に確認しておきましょう。
壁式構造で「壊せない壁」がある
リノベーションの際、間取りの変更を行うプランは多くありますが、構造による制約があることをチェックしておきましょう。
・マンションの構造について
まず、マンションの構造から簡単に説明します。
物件などの広告を見ていると、「RC造」という言葉が目に入ると思いますが、これは「鉄筋コンクリート造」という意味であり、鉄筋で補強したコンクリートを建物の骨格にしている、ということを指します。
さらに「RC造」には
①壁式構造
②ラーメン構造
といった種類があります。
ラーメン構造は、5階以上の大規模なマンションで採用される工法で、強固で安定した構造が実現できます。
一方、壁式構造は、鉄筋コンクリートの壁や天井、床を作り、それぞれの面で建物の強度を保つ工法で、主に5階以下の低層マンションで採用されます。
・壊せない壁がある壁式構造
マンションの構造には2つの種類があるとお伝えしましたが、壁式構造は、撤去すると強度に影響が出る壁があるため、リノベーションに向くのは、ラーメン構造になります。
すでにご説明したように、壁式構造は面で構造を支えるため、その一部でも撤去してしまうと、全体の強度バランスが崩れ、耐震性能の低下も招くことになり、柱と梁(はり)で建物を支えているラーメン構造なら、間取り変更の自由度が高くなり、設計のデザインも多くなります。
ただし、自由度が高いといっても、壁を取り除く場合は、専門家による構造計算が必要になる上、壁を撤去してしまうと、コンセントやスイッチの移動・増設についても検討が必要になります。
PS(パイプスペース)の位置による水回り移動の制限
マンションリノベーションでは、キッチンや浴室、トイレなど水回りの移動に制限があります。
集合住宅であるマンションでは、上階から下階まで、排水を流すための排水管が全戸に設置されていますが、そのパイプが格納されている場所をPS(パイプスペース)と呼びます。
このPSは共用となりますので、住民が移設や加工はできず、戸建て住宅のように、水回りを自由に変更できません。
ただし、部屋のデザインによって状況は異なりますので、その点については、「理想のリノベ向き物件を見極めるコツ」を参考にしてください。
窓や玄関ドア(共用部分)の交換不可について
窓やサッシ、玄関ドアは、自室の範囲であり、専有部分にあるため、自分の好みに変えてもいいように思うかもしれませんが、室内側にあっても共用部分にあたりますので、リノベーションはできません。
集合住宅で共用部分にあたる部分は、エントランス・階段・エレベーターはもちろん、窓・玄関ドア・バルコニーも合わせて、共用部分に含まれます。
集合住宅では、玄関ドアや窓に統一感を持たせ、建物全体の外観も大切にします。
管理規約によって「できないこと」

マンションのリノベーション・リフォームにおいては、管理組合の定める「管理規約」に従う必要があり、内容によっては、リノベを実施できないこともありますので、事前の確認が大切です。
床材の遮音規定による無垢フローリングの制限
マンションでは騒音に関するトラブルが多く、マンションでは、特に遮音性能の高い床材を採用しています。
まず、床の遮音性能を示す「LL40」や「LL45」から解説します。
どちらも遮音性能の高い製品ですが、分譲マンションで広く採用されているのは、LL45で、標準的な遮音レベルとなります。
LL45の特徴としては、「上階の生活音は聞こえるが、ストレスを感じるほどではない」といったレベルです。
さらに性能が高い製品が、LL40となり、「上階の椅子の移動音やものが落ちた音などが、音として聞こえない」といったレベルになり、LL45よりもグレードアップしています。
マンションの中には、劣化による修繕を除き、床材の交換を認めていないところがあるほか、リフォームで交換する際にも、管理規約や細則で、使用する床材に制限を加えているところが多くあります。
やさしい肌さわりと天然素材のよさが際立つ無垢材は、人気のある製品ですが、一般的には、遮音性能が低いことが多いため、導入に際しては、防音レベルを必ず確認しましょう。
工事時間の制限や、電気容量(アンペア数)の上限について
リノベーションにおいて、つい見落としてしまうポイントとして、工事時間の制限や電気容量(アンペア数)の上限があります。
まず、工事時間の制限ですが、多くの住民が共に生活をするマンションでは、作業できる時間に制限があることが一般的です。
一例を示しますと
作業可能時間:8時から17時
騒音の発生する作業:9時から16時
休日の作業:原則禁止
となり、多くの場合、管理規約に記載がありますので、チェックしておきましょう。
電気容量(アンペア数)の上限についても、物件を探す際に確認が必要です。
中古マンションの中には、電気の契約容量が、30アンペア以下のケースも珍しくありません。
エアコンにパソコン、IHクッキングヒーター、食洗機、浴室乾燥機など、電気を使う機会は、以前よりも格段に増えています。
快適に暮らすためには、40~60アンペアほどあると安心ですが、電気の供給量は建物全体で決まっているため、自由にアップできるわけではありません。
容量アップが可能かどうかは、管理会社に問い合わせてみる必要があります。
理想のリノベ向き物件を見極めるコツ

中古マンションの物件は多くありますが、リノベーションに向く物件・避けたほうがよい物件の2パターンあります。
ここからは、リノベーションに向く物件を見極めるコツをご紹介します。
天井の高さ(二重天井か直天井か)
一見分かりづらいかもしれませんが、天井のつくりには
【二重天井】
【直天井】
と、2つのスタイルがあります。
結論から申し上げますと、リノベーションには、二重天井が適していますので、図面を見ても分からなければ、担当者に質問してみましょう。
二重天井とは、言葉通り、天井裏が二重になっており、その空洞のスペースに、キッチンや洗面・トイレ・浴室から出る排気ダクトや埋込型ダウンライト、天井に埋め込むタイプのエアコンなどが取り付けられます。
一方で、直天井はコンクリートスラブに直接仕上げ材を貼った天井で、ダクトなどが通る部分だけ、二重天井になっています。
間取り変更を伴う大規模なリノベーションを検討したい方は、電気設備に必要な配線を移動させやすい二重天井を選ぶと、コスト ダウンにもつながります。
配管の経路(床下の懐があるか)
間取り変更を伴うリノベーションを行いたいときは、電気やガス、給排水の配管に注目することも大切です。
これらの配管は、マンションでは上階の床下(床下の懐)と自室の天井裏に通っており、床下には、排水しやすいよう、若干の勾配があります。
もし、希望する物件の図面がお手元にあれば、ぜひチェックしてみて欲しいのですが、水回り設備は、図面の両側にありますか?それとも右側、もしくは左側の片側のみですか?
リノベに適した物件は、両側に水回り設備があるタイプで、設備が分散していることで、
左右どちらにでも水回りを移動させやすくなります。
具体的な設計については、さらに調査が必要になりますが、まずは図面から間取り変更のしやすさを判断できますので、チェックしてみましょう。
ラーメン構造か壁式構造かの見分け方

基本的には、5階以上のマンションではラーメン構造、5階以下のマンションでは壁式構造が多いとお伝えしましたが、簡単にチェックする方法は、2つあります。
・図面
ラーメン構造は、柱で建物を支えるため、室内に柱がありますので、図面に柱の表記があれば、その建物はラーメン構造となります。
壁式構造は壁で支えるため、図面では太線で壁が記載されています。
・壁をたたく
内見などで現地を訪れたとき、室 内の四方に柱があればラーメン構造です。
図面がない場合やわかりづらい場合は、実際に壁をたたいてみましょう。
壁をたたいて、軽く高い音がしたら、内部が空間になっている可能性が高いため、ラーメン構造であり、重く低い音が聞こえたら、壁式構造と言えます。
先ほども触れましたが、ラーメン構造は、柱や梁で枠組みを作っているため、建物を支える強度・耐震性ともに安定したものとなり、壁を壊すリノベーションや間取りの変更の自由度が高くなります。
築年数は「新耐震基準」を目安に

中古物件を選ぶとき、「古い住宅は、価格は魅力的だけれども、安全?」「古いと強度が心配」と感じることもあるはずです。
1981年(昭和56年)6月以降の物件を選ぶメリット(税制優遇・安全性)について、解説しますので、参考にしてください。
なぜ1981年6月以降の物件がいいのか
物件選びをしていると
「新耐震基準」
「旧耐震基準」
という言葉が目に入るでしょう。
日本は、地震が多い国であるため、地震に強い建物を建てる必要がありますが、1981年6月に建築基準法が改正され、耐震強度の最低基準が大きく引き上げられました。
そのため、1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された建物に対して「新耐震基準」、それ以前の建物を「旧耐震基準」と呼ぶようになりました。
どの程度の耐震性があるかというと
新耐震基準・・・震度6〜7程度の地震が起きて倒壊しないレベル
旧耐震基準・・・震度5程度でも建物が倒壊しないレベル
とされています。
新耐震基準で建設されたマンションは、より安全度が高くなりますが、1981年5月以前に建築申請された旧耐震基準のマンションであっても、強度が弱いとは一概に言えず、一部のマンションでは耐震診断を行い、安全性が証明されているところもあります。
耐震性は専門的な知識も必要となりますので、物件の担当者とじっくり話し合い、疑問を解消しましょう。
新耐震基準のメリット
新耐震基準のメリットは、耐震性以外にどのようなことがあるのを、解説します。
住宅ローン控除
最も大きなメリットは、住宅ローン控除が受けられる点です。
住宅ローン控除は、住宅ローンを使って住宅を購入した際に、一定の基準を満たすと住宅ローンの年末残高の0.7%が所得税や住民税から控除されるしくみとなっており、中古住宅では、新耐震基準に適合していることが条件となっています。
フラット35の利用可能
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が扱う固定金利型住宅ローンであり、条件の中には、「建築確認日が昭和56年6月1日以後であること」となっています。
ただし、旧耐震基準の建物でも、耐震評価基準などに適合していれば、利用できます。
ローン担保評価額が高い
安全性の高い新耐震基準の建物は、旧耐震基準と比較すると、ローンの担保評価額が高くなる傾向があります
旧耐震基準の注意点
旧耐震基準の物件は価格が安いというメリットがありますが、いくつかの注意点・デメリットもありますので、確認が必要です。
住宅ローン審査が厳しい
旧耐震基準の物件では、ローンの審査が厳しい金融機関があるほか、受け付けないというところもあります。
審査が通ったとしても、借り入れ期間が短い、金利が高いこともありますので、注意が必要です。
税制優遇措置が適用されない
旧耐震基準の物件は、住宅ローン控除など、税制優遇制度が適用されないケースがあります。
将来、売却が必要になったとしても、買い手が見つからないといったリスクがあるかもしれません。
【アップリフォームの強み】

アップリフォームの強みは、何といっても物件探しから設計、施工、アフターサービスまで、一貫して責任をもってお客様に寄り添う、自社管理のシステムを採用している点です。
ご希望の物件が見つかっても、「どんなリノベーションができるの?」「間取りを提案してもらえたら」とさまざま思うことがあるでしょう。
アップリフォームでは、住宅リフォームに精通したプロが、お客様と現地に出向き「お客様の望むリノベーションが可能か」を調査し、ご予算に合わせた、リノベーションのプランニングをいたします。
ぜひ「中古物件 現地同行サービスを利用したい」旨を、「ご相談 お問い合わせ」フォームより、お問い合わせください。
ご相談・お見積り・現地調査ともに無料でお引き受けしておりますので、安心してご依頼ください。
リノベーション・リフォーム情報なら

アップリフォームでは、住まいのリノベーション・リフォームに関連した情報をホームページのコラムにて、随時掲載しております。
ぜひ、水回りや内装の改修計画の作成にお役立てください。
※リフォームするならどこに頼む?業者の選び方や失敗しないためのポイントなどを千葉市のリフォーム会社が施工事例も交えて徹底紹介!
※【マンション】水回りリフォームの費用相場は?注意点やリフォームセットの紹介などを千葉市のリフォーム会社が施工事例とともに徹底解説!
※とにかく収納を増やしたい!リフォームで収納を増やす方法や費用相場などを千葉市のリフォーム会社が徹底解説!
※和室をどうリフォームする?畳をフローリングに張替える方法など洋室にリフォームする際の気になる費用相場や注意点などを徹底解説!
まとめ
今回の記事では、中古マンションを購入する前に知っておきたいリノベーション「できないこと」についてご紹介しましたが、参考になる情報は得られたでしょうか。
お気に入りの物件に出会えても、希望するリノベーションができないと、残念な気持ちになるだけでなく、時間も無駄になってしまいます。
できないことを早めに知り、リノベーションに適した物件に出会い、理想の住まいを実現しましょう。
自由にリノベできない?中古マンションリノベーションで「できないこと」の確認ポイントと注意点を徹底解説しました。
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アップリフォームは千葉市中央区にあるリフォーム会社です。千葉市の他にも習志野市・八千代市・佐倉市・四街道市・八街市・市原市北部などの地域から、多数のご依頼を頂いております。
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